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「そうかもしれないね」
高速バスに乗って、
君の街を目指して、
書きかけのノートを見つめて、
君が言いそうなこと考えていた。
サービスエリアに着いて、
薄いコーヒーを飲んで、
そろそろ君はアルバイトを終えて、
渇いた心潤しに行くのさ。
hey…
君はちゃんとだらしがないね。
hey…
でも君が教えてくれた景色はとても素敵だった。
“
鏡に映る自分を見つめる、目を閉じる。
真っ暗な世界でゆらゆらと体が揺れていた。
換気扇の音、つけっぱなしのテレビ。
恐る恐る目を開けると公園のベンチに座っていた。
空がウミを吸い込んで、気持ちと言葉は永遠の追いかけっこをしている。
思い出たちはかくれんぼをして、悲しみと喜びはシーソーをして遊んでいる。
君が描いたマーブル模様の金魚がふよふよと浮かびながらこっちへやってきてこう言った。
“
hey…
もっと想像してみようぜ。
hey…
きっと共感なんて出来やしないから。
hey…
続きはどんな言葉がいいだろうか。
hey…
到着まではまだかかるらしいから。
hey…
君はちゃんとだらしがないね。
hey…
君が教えてくれた景色はとても素敵だった。キレイだった。とても。
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